江戸幕府による薬草園経営は、家康・秀忠による文教政策の一環として行われる。
日本固有の薬種苗のみならず大陸産の植物も栽培し、国内医学の発達を主目的としていた。
- 京都・鷹ヶ峰(たかがみね)御薬園(おやくえん)
(預かり 藤林家 長坂口北 丹波街道沿い) - 江戸・小石川御薬園
(大塚と麻布に薬園が開かれたが、大塚のそれは天和元年(1681年)に廃止、麻布薬園も貞亨元年(1684年)に小石川の地に移され改名された) - 長崎・十善師郷御薬園
- その他 駒場、駿府などでも薬園を経営
「柿のへた」御薬園同心 水上草介 -梶よう子 著 -集英社文庫
柿のへたを使った漢方薬「柿蒂湯(していとう)」
- 配合生薬 3種類
- 柿のへた
- 生姜
- 丁子(クローヴ)
これを土瓶でぐつぐつ煮詰めて飲むという、いたってシンプルな処方。柿蔕は胃や腸を温めてその縮みを取り、気の巡りをよくする生薬。さらに生姜と丁子を加え、さらに全身を温め、胃に優しく作用する。
しゃっくりの特効薬
しゃっくりは、横隔膜(または他の呼吸補助筋)の痙攣によって起こる。漢方では「気」の塊が逆上したものととらえる。柿のへたは「気」の塊を引き下ろしてしゃっくりを止める。