2021/09/03
新型コロナウイルス、ワクチンの科学的知見を分析した最新情報のお奨め図書「決定版」
宮坂 昌之(みやさか まさゆき)著 大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授
① 新型コロナワクチン 本当の「真実」 講談社現代新書
② 新型コロナ 7つの謎 講談社 ブルーバックス
現在は「第5波」のまっただ中で治まる兆しがなく、政府のコロナ感染症対策分科会が出した緊急提言は「東京での人流を緊急事態宣言前比5割削減する」、「百貨店地下の食品売り場やショッピングモールの人出を強力に抑制する」です。果たしてこの提言は科学的、合理的理由、医学的なエビデンスがある規制なのか。どれだけの効果があり、また経済的損失がどれくらい生じるのかの説明もなく、具体的な検討がされているのかも怪しい限りです。
国民の政府への信頼喪失は、横浜市長選の結果にも表れ、日本経済は世界で一人負けの低迷状態にあります。
雑誌「選択」の9月号、巻頭インタビューに国会議員塩崎恭久氏(元厚生労働大臣)の政治家の無能が招いた「コロナ国難」の記事が載っていました。彼は引退を表明しており、その理由が新型コロナ対策の提言をしても政治に反映しない、政治の劣化が極まっているからである。また、政府は平時と有事の対応の差がわかっていない。政治家を含め、危機への準備を怠っていた、と述べています。
「その原因はなんでしょう。」の質問には下記のように答えています。
塩崎 複合的なものだが、政治が科学を大事にしないことが一因だと感じている。都合のいいときに「専門家」とし て利用するだけで、その専門家もレベルが低い。総理大臣の会見がその象徴で、尾身茂分科会会長を同席させて総理と横並びで回答させる。最終責任者である総理大臣が逃げるように尾身氏に回答させるのは問題だ。
一方で、専門家の意見を聞いても、オリンピック開催のように、「結論ありき」で話しを進めるなど、科学軽視も甚だしい...。「お願い」ベースでしか進まない最悪の状況を生んだ。その結果出てきたのは、原則自宅療法や酸素ステーション設置といった悪手だ。これを医師でもない保健所の職員を中心に運用させようというのは、失敗の象徴だ。
宿泊療養か「野戦病院」という最低ラインを死守しないと、国民の命は守れないだろう...。菅義偉総理は私と一緒に引退したほうがいいかもしれないが、最後は総理本人が決めることだ。
十分すぎるほど納得させられる内容で、我々の意見を代弁して頂いた。
そして、このコラムを書いている時に「菅首相退陣」のNEWSが報じられました。